入院2

手術前日の11日の夜に手術前の最後の説明があった。そういえば、1週間前にもあった。色々と前にあったらしく、大分遅くなってから始まった。先生たちは教授を始め姉の担当医2名、自分の担当医2名、その他の先生も含め6,7人だったと思う。患者側は姉、義兄、姪、自分の4人だった。

施設によって若干の差はあるようだが、移植する肝臓の大きさは、ここではレシピエントの体重の0.7%以上が目安で、ドナーに残す部分はドナーの肝臓の30%以上が目安になっているそうだ。自分の肝臓は右様が大きいため、右葉を移植するとドナーに残す肝臓が小さすぎ、左葉を移植するにはレシピエントが必要とする大きさには足りない事。そのため、右葉を分割し、右葉後区域を移植できるか肝臓内の血管の走り具合等を慎重に学内で検討した結果、右葉後区域の移植が出来るという結論になった。ただし実施例はまだ少なく数例しか無いこと、血管が2つに分かれているところの血管の形状が8の字になっているのか、完全に分かれているのかCTの結果だけではよく解らず、切ってみないと正確には判らないこと、等の説明があった。通常の手術より難しいが大丈夫との事だった。また、一番心配していた拒絶反応はいい薬が増えてきているので、それほど心配していないとのことだった。
説明の最後に、なにか質問はありませんか?と聞かれたが、ドナーになることを決める前にインターネットで色々と調べ、経験者のブログなども読んでいたので、自分の事はあまり心配していなかった。うまく生着してくれるかが心配だった。姪が手を上げて何か質問があるようだったが、質問の内容が「ドナーは酒を飲めるようになりますか?」だった。正直「何を心配してるんだか」と思ってしまった。先生の答えは「お勧めはしませんが、体力が戻れば飲めるようになります。実際みなさん飲まれているようです。」だったので、姪は安心したようだった。

説明が終わったのは消灯時間を過ぎ、23時くらいだったと記憶している。翌日の8時から手術なのに、しかも手術時間が12時間以上と思われるのに、先生たちも大変だなぁと思った。実際の手術はもっと大変だったようだが。