まちぶせ

ケーブルテレビを何気なく見ていたらカラオケの番組になっていた。そのまま見ていたら「待ちぶせ」がかかっていた。
生まれて初めて上手ければ良い訳じゃないと実感した曲だった。オリジナルは三木聖子が1976年に出したもので、予備校の寮でよく聞いていた。TVが無いためラジオばかり聞いていて、週間FMやfmファンを買っては放送予定をチェックして好きな音楽をエアチェックしていた。三木聖子の待ち伏せもそれなりにヒットして好きだったが、「もう少し歌が上手ければなぁ〜」と思っていた。しかい、1981年に石川ひとみがカバーして「上手ければ良い訳じゃない」と心底実感した。
三木聖子の音程が危なっかしく不安定な感じがオドオドとした歌詞にマッチしていた。「こんな感じで、こんな子に思われたら幸せだろうな〜」と思わせてくれた。此れに対し、石川ひとみのしっかりした歌は不安定な心情にマッチしてなく、自信満々のストーカーの歌に聞こえたのだった。プリンプリン物語で好きだった石川ひとみがストーカーのように思えるなんて、と衝撃を受けた。

そして1983年の「時をかける少女」。当時、原田知世は好きだはなかったし、「ヘッタクソな歌だなぁ〜」と思っていたが、ユーミンのセルフカバーを聴いた時、原田知世の歌がよく聞こえた。時間を行ったり来たりする不安定な心情が不安定な音程と声に妙にマッチして聴こえ、ユーミンの歌はそんな感じがまるで無く、押し付けがましく感じたのだった。
当時のユーミンは歌が下手くそだったけどね。